食品を扱う企業が安定した事業運営を行うには、適切な温度管理によって食中毒などのトラブルを回避する必要があります。気温が高くなる6月から9月頃には細菌が繁殖しやすくなり、反対に気温が下がる11月から2月頃はウイルスが流行します。食中毒の原因となる細菌やウイルスにはサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌、ノロウイルスやE型肝炎ウイルスなど様々なものがあります。例えばサルモネラ菌は加熱が不十分な卵や肉、魚などに付着していて乾燥に強く熱に弱いのは特徴です。

この細菌に感染したものを食べると食後6時間から48時間ほどで吐き気や下痢、発熱や頭痛などの症状が現れます。様々な細菌の中でも特に腸管出血性大腸菌は食後12時間から60時間で激しい腹痛や血が多く混ざった下痢などの症状が現れ、重い場合には命に関わることもあります。黄色ブドウ球菌は熱に強い毒素を作るので、食品の安全を守るには温度管理だけでなく総合的な衛生管理が必要です。食中毒の原因となる細菌やウイルスは熱に弱いため、基本的に適切な温度管理を行っていれば被害を防げます。

細菌やウイルスだけでなく、様々な危険物から食品の安全を守るために世界中の多くの企業が導入している衛生管理手法がHACCPです。HACCPはハサップと呼ばれており、原材料の仕入れから出荷までの全ての工程と製品を対象としたリスク管理を行います。微生物や化学物質、異物など危害要因による健康被害を予測した上で適切なルールを定めるので効果的に食品の安全を守ることができます。日本だけでなく世界中の企業がこの手法を導入して食品の温度管理を行っています。

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