企業が温度管理を怠ると食品中で細菌が繁殖して不良品となり、出荷されると食中毒などのトラブルを引き起こす可能性があります。温度管理を怠って不良品を出荷しトラブルに発展すると、損害賠償を請求されるだけでなく企業の評価が大きく低下します。テレビ・ラジオのCMや、新聞・雑誌などの広告でブランドイメージを向上させるには多額のコストと時間がかかります。長い時間と多額のコストを費やして社会的な信用を築いたとしても、一旦食中毒が起きれば失われてしまいます。
トラブルによってブランドイメージが損なわれたら、再び築き上げるのに多くの時間とコストが必要です。食品を扱う企業が円滑な事業運営を行うには、適切な方法で温度管理を行わなければなりません。温度管理を怠ると食品中で危険な細菌が増殖したり、製造工程においてウイルスが付着する可能性があります。例えばサルモネラ菌は十分に加熱されていない卵や肉、魚などに付着しています。
この細菌が付着した食品を食べると、6時間から48時間ほどで吐き気や下痢などの症状が現れます。腸管出血性大腸菌は加熱が不十分な肉や野菜などに付着しており、食後12時間から60時間ほどで激しい腹痛や血が混ざった下痢などの症状が起こります。この細菌による食中毒は、症状が重いと命に関わることもあるので注意しなければなりません。細菌やウイルスは基本的に熱に弱いため、全ての工程と製品を対象として適切な温度管理を行っていれば被害を防ぐことができます。